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屋上に出ると気持ちのいいほどの青空が広がっている

今はその青空が憎たらしくなる

「もう夏の空だなー。日陰に行こう」

圭介に促されて日陰になっている屋上の裏側へと回る

先客が数名居たが彼らは噂話には興味を持たない奴らばかりなのでココで話しても大丈夫だろう

先客に挨拶して弁当を広げる

4時間目が始まる前に買ったおにぎりと朝持たされたサンドウィッチが今日のお昼ご飯だ

因みに飲み物は紅茶だ。おにぎりと一緒にお茶を買おうとしてサンドウィッチがあることを思い出し急遽変えたのだ

やっぱりお茶とサンドウィッチよりは紅茶とおにぎりの方が食べやすいだろう

「珍しいな、持参なんて」

圭介がタッパーを指差して言う

確かにこの学校にきてから弁当を持ってきたことは無かった

「朝ご飯食べる時間が無くて、母さんが後で食べろって渡してくれたんだよ」

「ふーん?」

ニヤニヤと笑いこちらを見る圭介になんだか照れくさくなって顔を逸らす

いいだろ?別に!

「いい母親じゃん」

そう言われると更に照れくさくなるが、それでも素直に頷いた

「うん。俺の母さんだもん」

別に嫌いなわけじゃない。ただちょっと距離の取り方が分からないだけ

気持ちを紛らわせるようにサンドウィッチを一つ口に入れる

中味はハムと卵だ。一体朝の忙しい時間のどこにこんな手間の掛かる物を作る時間があったのだろう

「それじゃ、俺もいただきます」

丁寧に手を合わせてから圭介もお弁当を食べ始める

圭介は不定期にだが弁当を持ってきている。理由を聞くとたまに起きるとあるからだそうだ

誰とははっきり言わないが、きっと母親が帰ってきて余裕がある時に作っているんだろうなとこの短い付き合いの中でそう推測している

圭介の両親は共働きで二人ともエリート街道まっしぐらなので時間があるとは思えない

その中でも少しでも弁当を持たせてやろうとするのはきっと愛だろう

しかし、これは全て勝手にそう思っているだけで実際はどうなのかは分からない。

これで実は彼女に作ってもらってますとか言われたら悲しいのでなかなか質問はできなかった

「で、そろそろ教えてくれも良いんじゃねぇの?ココには誰も噂を流そうとする奴は居ないぜ?」

圭介が焦れてきたのだろう。何があったのか話せと俺のサンドウィッチを1つ取りながら話すことを促してくる

「・・・俺のサンドウィッチを取りながらそう言うか!たく。」

圭介の弁当からだし巻き卵を奪い取り返してから

仕方がないので昨日の夜の話から順を追って説明した






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