俺とコイツ・・・那智はいわゆる幼馴染と言うやつだ。
いや、高校までずっと一緒と来ると腐れ縁と言うのかもしれない。
家が隣なのだが、中学の頃まで実は俺はコイツの事を凄く嫌っていたんだ。
それが・・・今では一番お互いを理解しあっている一番の存在になっている
不思議な事もあるものだと今更ながらそう思う
別に何かをするでもなくぼんやり空を見上げる
最近気付いたがコイツはこうしてぼんやりするのが好きみたいだ
雨の日でも俺は屋上で授業の時間をつぶす。しかし、那智は雨の日は必ずちゃんと教室に居る。どうやら雨は嫌いらしいと言う事が分かった。
時にはタバコを吸っていたりもするが、コイツはそう言うことはしない。
自分ひとりで吸っているのも悪い気がしたのでタバコを勧めた事があった
その時散々怒られたのでそれ以来、コイツの前ではタバコは吸っていないし勧めない
意外な所で頑固なのだ。
「本当に今日は天気が良いよね〜!お昼寝したくなる」
ん〜っと伸びをしながらそう言ってすぐにパタンと寝転がる那智に
「そういいながら寝てるじゃねぇか」
と、揶揄すると
「いいじゃない。こんなに天気がいいんだから・・・」
そう言って目を閉じてしまう
結局自分は残されてしまうのだ。
コイツはいつも自分の世界を作る
俺の入る隙などないような・・・魅力的な世界を
昔からいつもコイツが羨ましかった。自分にも同じ数だけ友達は居たが、那智と一緒に居るやつらが・・・羨ましかった。
自分は、素直に那智と接することなんてできなかったから
一番近くに居たのに全く通じ合えなかったのだ
だから、顔を合わせる度に喧嘩になった
中学に入った頃にはお互い冷戦状態だったが何かをキッカケに俺らはお互い遠回りしていたことに気付いたのだ
その事を思い出すだけで苦笑が漏れる