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「いつからあいつらのこと気づいてたんだよ?」

圭介は気づいたらそう訊いていた

「ちょっと前だよ。たまたま図書室に行ったら美希也が居て、声を掛けようと思ったら、その隣に聡広先生が居た。普段と違って楽しそう

に笑う美希也を見て「あ、この二人仲良くなったんだ」って思った」

「ふーん」

楓は彼らが付き合っていることを知っているのだろうか?

もし知らないのだとしたら言葉にしてしまうのは軽率だろう。

「で、美希也と仲良くなった高林先生に勉強を教えてもらうようになったのは故意にか?」

「勉強を教えてもらうことはいけないこと?」

そう言われるとそれ以上は深く追求できない。

先生に勉強を教えてもらうことはよくあることだろう。

しかも、少し前まで家庭教師として自宅に来ていた人なら尚更親しくても仕方がないかもしれない

「悪くはないよ」

楓に悪気は無かったのかもしれない

でも、その楓の行動が美希也を今追い詰めているのだと分かっているだけに何もできないことは少し悔しい気分でもある

「話はそれだけ?」

楓がそう訊いてくる

「あぁ」

「じゃあ、勉強したいから出て行ってくれる?」

話は終わりといわんばかりに楓は圭介に背を向けた

「そうするよ」

言いたいことは沢山あったが今は大人しく楓の部屋を出る

外に出たところで美希也に会った

「あれ?圭介、楓の部屋に居たんだ。タキも来たしゲームしよう」

早くと急かしながら美希也は圭介を部屋へと入れる

美希也は楓のことをどこまで知っているのだろう?

楓に興味はあるのだろうか?

「圭介、楓と何を話していたの?」

美希也が部屋に入るなりそんな質問を圭介にした

「気になる?」

ちょっと茶化してそう訊くと「別に」と素っ気無く返された

本当は気になって仕方が無いのだろう

「ただ、ちょっと高里は友達いないのか?って話しをしてただけ」

本当のことは言えないから嘘をついた。

「そういえば、楓の交友関係って聞いたことがないんだけど、友達いるの?ご飯食べてた時にその話題が出たら圭介が怖い顔してたし触れ

てはいけないことなんだと思ったんだけど、違うの?」

どうなの?と聞いてくる美希也に、美希也もそれなりには楓に興味があるのだと分かった

「それなりに親しいやつや親友ってよべる奴はいるんじゃない?でも、高里のことだから本当にそうだと断言はできないけどな。俺達とは

全く違う付き合い方なのは確かだろうけど」

「・・・そうだね」

ちょっと考える様子を見せる美希也に「さっ、始めようか!」とタキにも声を掛けて話題を変える

少しでも興味があるのなら自分で歩みよればいい。

それは俺達が何か手を貸してやる必要も無いことだ






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