[46]

翌日、目が覚めると隣に圭介が眠っていて驚いた

「あ・・・そういえば泊まったんだっけ?」

圭介が右手側、タキが左手側で眠っている

時計に目をやるとまだ朝の6時半だった

二人を起こさないようにゆっくりと起き上がり部屋を抜け出す

昨日は試験勉強も絡めて勉強に関わるゲームと罰ゲームをやった

かなり楽しかったなぁー

そんなことを考えながらぼんやりと洗面所のドアを開けて思わず固まってしまった

「あ・・・おはよう、美希也」

「お、おはよう」

挨拶を返してパタリと扉を閉じる

・・・何で楓と聡広が一緒に洗面所にいるの?

いや、洗面所に一緒にいるだけだったら、顔を洗おうとしたら一緒になっただけかな?とか思うけど・・・何で、聡広が楓の腰に腕を回し

ていたわけ?

「美希也?」

閉めた扉を楓が開ける

まだ心の準備ができてなかったのに・・・

「あー、何か混んでたから」

咄嗟に言い訳する

まだ楓の腰に聡広の腕が回っているのを見てフイッと顔を逸らした

「そっか。ごめんね、すぐに出るから」

歯磨きをしていた楓は急いで口を濯ぎ外へと出てくる

「じゃあ先生、先に行くね」

楓は聡広の腕を軽く叩いて退かし俺の横をすり抜けていく

家庭教師と生徒の関係って、こんなに親密なものなの?

本当に嫌になる

空いたスペースを通り聡広の向こうにある扉へと真っ直ぐに向かった

「美希也」

「何?」

ちょっと声がキツクなって内心慌てた

何これ、嫉妬してますって言ってるようなものじゃん!

「その・・・」

「急ぐ用じゃなかったら後でもいい?俺は急いでるんだけど」

逃げたい一心でそう言う

「あ・・・悪い。早く入れ」

俺が今手にかけている扉の先にあるのは勿論トイレ

別に急いでいたわけじゃないけど、都合がよかったのでそのまま入る

どうしよう。

聡広とどう接していいのか・・・わからないよ。






← Back   NEXT →

ページ一覧】【一言】【TOP】【HOME

Copyright(C) Shino komanami.All Rights Reserved.